フィレンツェ派(Florentine School)は、中世からルネサンス期にかけてフィレンツェで発展した絵画の流派です。この派の芸術は、ビザンティン様式の影響を受けながらも、空間表現や人体の自然な描写を重視し、遠近法の発展に大きく貢献しました。
代表的な画家:
- チマブーエ(Cimabue): ビザンティン様式からの脱却を試みた初期の巨匠。
- ジョット(Giotto di Bondone): 遠近法と人間味あふれる表現を導入し、ルネサンスの基礎を築いた。
- マザッチョ(Masaccio): 遠近法と明暗表現を活用し、より写実的な空間表現を確立した。
- フィリッポ・リッピ(Filippo Lippi)、ボッティチェリ(Sandro Botticelli): ルネサンス期に華やかで洗練された様式を発展させた。
フィレンツェ派の特徴として、透視図法(遠近法)の確立、人体の自然な表現、構成の明瞭さが挙げられます。この流派は、15世紀のルネサンス芸術の発展に決定的な影響を与え、イタリア美術の中心としてのフィレンツェの地位を確立しました。